Performances & Events金曜よるのクラシック・リサイタルシリーズ vol.12　遠藤真理 チェロ・リサイタル

公演レポート

毎回大好評をいただいている「金クラ」シリーズ。全回チケットソールドアウトの今年度、最終回は遠藤真理さんのチェロ・リサイタル。ピアノは三浦友理枝さんです。
息の合ったお2人の魅力あふれる演奏と、肩の力を抜いたカジュアルなトークも楽しいひとときとなりました。

チェリストにとってまさに大曲中の大曲、J.S.バッハ《無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012》で幕開けです。冒頭に遠藤さんのお話にもありましたが、この作品は5弦楽器のために書かれているのでそれを4弦で弾かなければならない、音数も多く技巧的にも最難関曲。自身、初めて演奏会で披露したとのこと。チェロの魅力が濃密につまったソロ演奏ではなかったでしょうか。

続いては三浦さんによるピアノの名曲、ラヴェル《クープランの墓》より「メヌエット」。優美なフランス音楽に身体を委ねていただいた後、2人そろったところで楽しくリラックスしたトークが始まりました。20代でおふたりが出会った頃のお話や、数年前に長野県に移住された三浦さんのお話など、明快溌剌としたおふたりのやりとりも心地良く、会場内も一気になごんでいきます。

そして、今年没後100年の記念年を迎えるフォーレの作品から、《エレジー》と《チェロ・ソナタ 第2番 Op.117》を。物悲しい繊細さ、そして重厚で躍動感のある曲調とおふたりの表現力に圧倒された演奏でした。

最後は「よくコンサートの冒頭に弾く曲で大好きな作品」（遠藤さん）、「ホッとするキラキラした曲です」（三浦さん）というアナウンスの後、名曲カサド《親愛の言葉》でフィナーレ。息ぴったり、チェロとピアノがとけあう優美で極上の響きを堪能するひとときとなりました。

遠藤さん、三浦さんともにそれぞれ以前「水曜ひるまのクラシック・リサイタルシリーズ」でもご出演いただき、そのお二人の共演を「待ってました！」というお声をこの日の会場でたくさんいただきました。皆さん笑顔、笑顔で会場をあとに。

ご来場ありがとうございました。

＜アンコール＞
フォーレ：夢のあとに

＜アンケートより＞
♪遠藤さんのリサイタル、ずっと楽しみにしていました。近くで息づかいや表情を感じることができ、とても感動しました。三浦さんとの息もピッタリで、すごくよかったです。
♪大曲から始まり、大好きな曲で終わる大満足のコンサートでした。フランス音楽はなじみがなかったので新鮮でした。遠藤さんのリサイタルは初めてでしたが、また機会があればぜひ来たいです。
♪明快な音と演奏なのに、すごく沁みました！お二人の明るいキャラクターもとても好印象でした。
♪チェロの重厚な響き、優しい音色がホール全体に共鳴して、音に包まれる幸せな時間でした。色彩豊かなフォーレ、最高でした！！表現の幅広さに圧倒され、あっという間でした。
♪エレジーの繊細な音色も美しく、チェロの魅力が伝わってきました。
♪チェロの音は、何か心に訴えかけるように聞こえました。