Performances & Events金曜よるのクラシック・リサイタルシリーズvol.7　TAIRIK ヴィオラ・リサイタル

公演レポート

シリーズ7回目、今年度初回の「金クラ」は、TAIRIKさんがヴィオラで登場です。
ピアノは佐藤卓史さん。

インストゥルメンタル・ユニット「TSUKEMEN」のヴァイオリニストとしても人気ですが、「水クラ」に引き続き、「金クラ」でもヴィオラでリサイタル。
「ヴァイオリンともチェロとも違うこの音が大好き。その魅力を知ってほしいと思いながらヴィオラを弾いている」とのこと。

時に甘く、時に悲しみをたたえ、時に激しい音色には歌心が満ちて、佐藤卓史さんのピアノとともに、深い物語の中にいざなわれていくようです。

曲の合間には、曲の背景や作曲家についてのエピソードなどのトークがさしはさまれ、その語り口の軽やかさも客席を温めてくれます。…と、ここまでなら他のコンサートでも見られる光景ですが、中盤にはなんと！クイズコーナーが登場！ヴィオラとピアノを巡る三択クイズ。

知的好奇心に満ちた長野の皆さまには「簡単！」な問題から始まり、ユーモラスな問題や意外な難問なども交えて、最後に3人の方が全問正解！こんな双方向のやり取りも、客席と舞台が近いリサイタルホールならではの楽しさです。

コンサートの後半は、ピアソラ《ブエノスアイレスの冬》、そしてオリジナル曲《ROCK VIOLA》。キレ味よくドライブ感のある演奏に場内興奮！そして、そんな熱をなだめるように、優しいオリジナル曲《風の記憶》で幕を閉じました。

三択クイズ「ヴァイオリンにあって、ヴィオラにないものは？」という問題に、「人気」という選択肢が紛れていました。冗談半分にこの回答を選んだ人がたくさん、そして全員不正解という展開に場内はみんな苦笑い。
「そういう誤解を解くために僕はヴィオラを弾いてるんです！」という言葉はジョークではなく、もちろん本音だということが、今日の演奏を聴けばわかります。

様々な面をあわせ持つ人の心の複雑な美しさがそのまま音になったような豊かな表現が、客席を魅了していました。ヴィオラは「人気がない」なんて、もう思えませんね。

ご来場ありがとうございました。

＜アンコール曲＞
A. ピアソラ：リベルタンゴ

＜アンケートより＞
♪ヴィオラのリサイタルは初めてでした。素晴らしい演奏ありがとう！あたたかい深みのある音色に癒されました。ヴィオラの魅力を感じました。TAIRIKさんのトークも楽しく、すっかりファンになりました。
♪久しぶりの生演奏良かったです。小さなホールなので近く感じます。迫力違いますね！
♪TAIRIKさんはPOPSもクラシックもいいですね。何より佐藤さんのピアノ、ものすごい！！
♪TAIRIKさんの《ROCK VIOLA》はとてもかっこよかったし、佐藤さんの《献呈》には圧倒されました。そして、アンコールの《リベルタンゴ》にはしびれました。途中のクイズは良問揃いで勉強になったし、本当に今日来ることが出来て良かったです。
♪オールヴィオラ、TAIRIKさんの真骨頂、魅了されました。
♪ヴィオラという楽器を生でソロで聴くことができ、とても素晴らしい時間でした。少しゆらぎのある音がどの弦楽器の響きとも異なっていました。シューマンのヴィオラのための楽曲はヴィオラの音を楽しむのによい曲でした。佐藤さんのピアノは優しさと激しさがあり、その変化にびっくりしました。
♪ピアソラの曲がヴィオラの音色に合うというのが新発見でした。TAIRIKさん、NHKで見るソフトなイメージだけでなく、情熱的な演奏でとても良かったです。
♪ヴィオラの角の取れた音色に優しく寄り添う佐藤さんのピアノの音が実に柔らかい。でも《ROCK VIOLA》と《リベルタンゴ》の激しさは素晴らしく、盛り上がった！
♪ピアソラの表現力に脱帽！《風の記憶》泣けました。
♪MCも含めた構成が最高でした。《ROCK VIOLA》圧巻！
♪このシリーズは、気楽に行けてサクっと楽しめて良いと思います。