Performances & Events近藤薫プロデュース リヴァラン弦楽四重奏団 #3

概要

東京フィルハーモニー交響楽団のコンサート・マスター 近藤薫が、
最も信頼のおける仲間たちと結成した長野市芸術館発のレジデント・カルテット
リヴァラン弦楽四重奏団、第3弾公演!

■ 10/28(土) 10:00~ チケット発売

出演者 リヴァラン弦楽四重奏団
 川久保賜紀/近藤 薫(ヴァイオリン)
 佐々木亮(ヴィオラ)
 クリスティアン・ギガー(チェロ)
プログラム モーツァルト: 弦楽四重奏曲第1番 ト長調 K.80
ベートーヴェン:  弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op.18-1
武満 徹: A way a lone
ヤナーチェク : 弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 「クロイツェル・ソナタ」
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団

公演レポート

今回が3回目の公演となったリヴァラン弦楽四重奏団の定期演奏会。川久保賜紀さん/近藤薫さん(ヴァイオリン)、佐々木亮さん(ヴィオラ)、クリスティアン・ギガーさん(チェロ)の4人のアンサンブルを、なかなか聴く機会のないレアな選曲でたっぷり楽しめる時間となりました。

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2020年2月にリサイタルホールで第1回の演奏会を開催し、大好評を頂いてスタートしたリヴァラン弦楽四重奏団。その直後にコロナ禍になり、年1回開催する予定だった定期演奏会は、ドイツ在住のギガーさんが来日できず2年連続で中止となりました。2022年には、ヴァイオリンの2人とヴィオラという日本人3人だけでの特別コンサートを開催し、ようやく3年ぶりに4人でのリヴァランの公演ができたのが2023年の1月。そして、今回が3回目の公演です。

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コンサートは、モーツァルト《弦楽四重奏曲第1番 ト長調 K.80》から始まりました。優雅で爽やかな曲調の中で、それぞれの楽器の美しい音色が存分に響きます。
続く2曲目は、そんなモーツァルトとは対照的な、ヤナーチェクの《弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 「クロイツェル・ソナタ」》です。

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トルストイの小説『クロイツェル・ソナタ』が題材となっており、その中で描かれるのは「不倫」や「殺人」といった物騒な内容……ヤナーチェクのこの曲も、小説に劣らないスリリングな作品です。近藤さんの、「複雑な曲なので、まずはただ浴びるように聴いてください」という言葉どおり、一貫して漂う緊張感とそれ以上の迫力に圧倒される演奏でした。

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後半は、武満徹《A way a lone》から。こちらもまた、ジェイムス・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』という文学作品が題材となっています。
この『フィネガンズ・ウェイク』自体も難解な小説ということで、この曲も物語のように捉えどころのない複雑なものですが、「リヴァラン弦楽四重奏団が始まる前から、やりたいと思っていた」と近藤さん。

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さらに、「リヴァラン」というカルテット名も『フィネガンズ・ウェイク』の冒頭に登場する造語ということで、リヴァラン弦楽四重奏団とは特に結びつきの強い1曲です。不穏な雰囲気がと切れることなく流れていくような演奏からは、深い奥行きを感じられます。
第1回公演は“古典”、第2回公演は“ロマン派”といった各時代の曲をプログラムに取り入れてきて、3回目となる今回のポイントは“現代曲”。1・2回目の公演をお聴きになった方は特に、ここまでの時代の流れをふまえて、難解な曲もいっそう楽しんでいただけたのではないでしょうか?

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最後は、ベートーヴェン《弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op.18-1》を。ヤナーチェクや武満徹の作品と聴き比べることで、広がりや抑揚をよりはっきりと感じられます。この曲では、特にぴったりと息の合った4人のアンサンブルに引き込まれる、力強い演奏でフィナーレとなりました。
それぞれの楽器・演奏の特徴や個性ははっきり表しながら、美しいバランスで全体が調和していく弦楽四重奏の心地良さや迫力を堪能できる時間となりました。

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ご来場ありがとうございました。

<アンケートより>
♪すごいプログラムでした。ヤナーチェクもすばらしかった。聴いたことない音楽。でもベートーヴェンはさすがのゾーンに入っていたと思います。
♪ヤナーチェクの「クロイツェル・ソナタ」は期待以上の演奏であったと感じます。ヴィオラの音にはすごみを感じました。あのような演奏には初めて出会ったと思いびっくりしました。もちろんヴァイオリンの鋭い演奏もとても魅了されました。
♪心地良いひとときとなりました。最後ベートーヴェンを聴いた時に、何故だか安心感をおぼえました。
♪ヤナーチェクの曲について、初めて聴きましたが「ただ浴びてください」との解説があまりに的確すぎてどっぷりと浸らせていただきました。とにかく近藤さんの解説のおかげで楽しめました。
♪四重奏の、静かにその人の音が聴かせるのと、4人とは思えない重厚さで響き渡るのと、どちらも味わえるのが好きです。なかなか機会がないので、またぜひお願いします。
♪モーツァルトはふんわりと降る雪のようにやわらかくて美しかったし、ヤナーチェクは不倫を目撃した動揺と混乱、憎悪の気持ちが女々しく伝わってくる音楽でした。武満先生の曲は難解でしたが、4名で演奏しているとは思えないほど重厚でした。

DATE
2024年1月13日(土)
14:00開演(13:30開場)

■ 10/28(土) 10:00~ チケット発売
VENUE
リサイタルホール
TICKET
¥4,000
(全席指定・税込)

その他プレイガイド

  • 長野市芸術館チケットセンター
    TEL 026-219-3191 [10:00-19:00/火曜定休]
  • e+(イープラス)
    https://eplus.jp
  • ヒオキ楽器本店シャコンヌ【窓口販売】
  • 美鈴楽器本店【窓口販売】

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