Performances & Events黒木岩寿の文化人類学講座 [第4講]ロマン派②「細胞分裂」!?

概要

〈冬〉プロデューサー 黒木岩寿プロデュース

音楽をもっと深く、もっと楽しむために
『黒木岩寿の文化人類学講座』~音楽と歴史の読み書き~
[第4講] ロマン派② 「細胞分裂」!?

18世紀終わりのフランス革命を経て、変わりゆくヨーロッパ各国。
当時の社会で人々はどう生き、何を思い、いかに描いたかを解き明かす、「ロマン派」パート2!

コントラバス奏者、黒木岩寿の毎年大人気講座、4回目。
レクチャーと演奏で、皆様の知識欲を刺激します!!

チケット一般発売:12/4(土)10:00~  

*新型コロナウィルス感染拡大防止策を講じて開催いたします。

出演者 黒木岩寿(講師/コントラバス)
岡本和也(ギター)
プログラム 第4講 ロマン派② 「細胞分裂」!?  
  レクチャー&演奏
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団
助成 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

公演レポート

音楽の歴史を、政治や社会、人々の姿や美術などの芸術作品との関連などから紐解く「黒木岩寿の文化人類学講座」。
4年目の今年のテーマは「ロマン派2」。
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フランス革命以降、普仏戦争、パリ・コミューン、ドレフュス事件、そしてフランス国民音楽協会へと至る流れを振り返ります。
普仏戦争の屈辱、大きな犠牲を払っても人々が成し遂げたかったプロレタリアート革命「パリ・コミューン」。時代の主役は普通の市民に移り、そして自らの民族意識に目覚める時代です。
こうした機運がヨーロッパ各地に広まり、「諸民族の春」と呼ばれていきます。芸術表現が各国の「訛り」のようなものを含んだ多様なものへと育っていく時代。
その時代の事件と照らし合わせていくと、目眩さえ感じるほどのダイナミックな時代です。
大きなキャンバスに庶民とブルジョワジーの姿を対比的に描いたクールベの作品は、今日はルーブル美術館と同じサイズで映写しました。
かつては決して描かれることのなかった画題に、時代の移り変わりも感じます。
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歴史や人々の生きざまと照らし合わせれば、音楽はもっと面白い。
今まで聴いていた音楽がさらに立体的な表情を見せ、その時代の空気まで伝えてくるようです。
音楽はそのまま聴いても美しいけれど、深く学んでいくとさらに面白い!黒木さん自身が知ることを楽しみ、その楽しさを丸ごと伝えている、そんな熱が伝わる講座でした。

 

後半は、黒木さんと岡本和也さん(ギター)によるミニ・コンサート。黒木さんの誠実な語り口のようなコントラバスの響きと、丁寧に紡がれる岡本さんのギターが場内に親密な空気を作ります。
ギター・ソロの《タイスの瞑想曲》は岡本さん自身の編曲。ヴァイオリンとはまた違った、あふれる感情を秘めながらも静かに歌うような旋律が印象的でした。
本編の最後の曲は、ボッテシーニ《「夢遊病の女」による幻想曲》。オペラの主題を用いた曲らしく、様々な人物のさまざまな表情が楽しく、コントラバスとギターの音色の豊かさを堪能できました。
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この講座はまだまだ、来年も続きます。来年のキーワードはマーラー、ウィーン世紀末?来年も是非ご期待下さい。

ご来場ありがとうございました。
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<本日のアンコール曲>-------
加古隆:花の憧れ

<アンケートより>------
♪政治・絵画・音楽が本当に密接につながっているのだと知りました。知ると面白い時代です。

♪ヨーロッパの歴史が再確認できました。感情を込めたレクチャーに共感。

♪ちょうど音楽家の伝記を読んだり絵画史を勉強中なのでとても面白かった。音楽は人を動かす力になりますね。《ナブッコ》の合唱とても良かったです。

♪コントラバスとクラシックギター、生で初めてでした。良かったです~。

♪黒木さんの説明は表現がとても豊かで楽しく、印象に残る。曲や作曲家への思いが伝わってきました。岡本さんも黒木さんも熱く素晴らしい演奏でした。

♪「超ぶっとび!クラシック」とあわせて受講すると、本当にわかりやすく聴くことが出来た。更に実際に演奏も聴くことが出来て大満足です。これを聴かないことは考えられないくらいいいです。

♪フランス革命がもたらした各国各民族の目覚め、音楽への影響を改めて学びました。よく聴いている楽曲も、今一度作曲家の思いを感じ取りたい!納得の講義の後に素敵な演奏までありがとうございました。

♪高校時代に払った世界史の流れが、ロマン派の音楽と深く結びついていたことを感じました。頭の中で「点」として存在していたことが、「線」になりました。また、後半の演奏ではコントラバスの音域の広さ、そしてコントラバスとギターの相性の良さを感じました。来年の講座も期待しています。

♪この講座を受ける度に、音楽のすばらしさに改めて目覚める気がします。

♪この日を楽しみにしていました。昨年受講し、講義の内容の濃さと演奏のすばらしさに胸を打たれました。大学の講義を受けているようで、大変充実した時間を過ごさせていただきました。演奏は心のひだに染み入る感じで、「夢のあとに」はコントラバスが泣いているように聞こえました。コントラバスは「主役」になるんだと強烈なメッセージをいただきました。また来年も楽しみにしています。

DATE
2022年2月5日[土]
14:00開演(13:30開場)
VENUE
アクトスペース
TICKET
一般 ¥1,000
[全席指定・税込]

12/4(土)チケット発売

その他プレイガイド

  • 長野市芸術館チケットセンター
    tel: 026-219-3191 [10:00~19:00/火曜定休]
  • ヒオキ楽器本店シャコンヌ【窓口販売】
  • 美鈴楽器本店【窓口販売】

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