Performances & Events黒木岩寿プロデュース ラ・ストラヴァガンツァ東京 A.ピアソラ:ブエノスアイレスのマリア(演奏会形式/日本語ナレーション)

概要

〈冬〉プロデューサー 黒木岩寿プロデュース
「ラ・ストラヴァガンツァ東京」

バロック・アンサンブルでありながら、自在に時空やジャンルを飛び越える、黒木岩寿が主宰するラ・ストラヴァガンツァ東京。
タンゴの革命児アストル・ピアソラの没後30年にあたる今年は、多彩なゲストを迎えて、ピアソラ最高傑作と言われるエキサイティングなタンゴの舞台、2部構成のオペリータ(小さなオペラの意)に挑みます!!

12月4日(土)10:00 チケット発売!

出演者 ラ・ストラヴァガンツァ東京
 山田武彦(ピアノ)
 松野弘明 横溝耕一(ヴァイオリン)
 篠﨑友美(ヴィオラ)
 植木昭雄(チェロ)
 黒木岩寿(コントラバス)
小島りち子 中鉢聡(歌)
大谷朗(語り)
三浦一馬(バンドネオン)
大坪純平(ギター)
斎藤和志(フルート)
石川智 萱谷亮一(パーカッション)
曲目 アストル・ピアソラ:ブエノスアイレスのマリア
(演奏会形式/日本語ナレーション)
 作詞:オラシオ・フェレール
 訳:小島りち子 中鉢聡 黒木岩寿
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団
助成 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業
独立行政法人日本芸術文化振興会

公演レポート

めったに演奏されることのない、ピアソラ幻の最高傑作であるタンゴ・オペリータ(小オペラ)。
当館のシーズンプログラム・プロデューサーの黒木岩寿さんが長く長野での上演を熱望していた作品を、ついにメインホールでお聴きいただくことが出来ました。

0306-003.jpg

マリアという、象徴的な名を持つ女性の生と死、そして悲しみと苦しみの中に永遠によみがえり続けるという、詩的で難解なテクスト。美しく哀感ただようピアソラのメロディとタンゴのリズムで、マリアの物語が描かれます。

0306-001.jpg

マリアを歌ったのは、小島りち子さん。蠱惑的でありながら純粋さを秘めた魅力的なマリアです。第3b場で「私はマリア」を高らかに歌う同じ旋律が、第15場の「受胎告知のミロンガ」で再び現れ、マリアが永遠の存在になる物語の山場、俗な頽廃と同時に力強い聖性を感じさせる歌声には鳥肌が立ちます。

0306-011.jpg

物語を語る小悪魔は、舞台俳優の大谷朗さん。ブエノスアイレスそのもののよう。小悪魔に象徴されるのが、悲しみを抱えたブエノスアイレスなのですね。

0306-036.jpg

テノールの中鉢聡さんはつややかで色っぽい歌の語り口が魅力的。南米ならではのエロティックな雰囲気が溢れます。

0306-021.jpg

そして、ピアソラと言えばバンドネオン。三浦一馬さんがその音色で場末の街の風を吹かせます。それは路上で口ずさむ歌のようであったり、ふと強く吹くつむじ風のようであったり。

0306-015.jpg

あっという間にメインホールは港町の裏町に。貧しく怪しげな人々の生きる、猥雑で魅力的な街です。
ラ・ストラヴァガンツァ東京の演奏も、そんな街の熱気をそのまま写し取ったよう。ぐんぐんギアを上げてドライブする演奏は彼らならではの魅力です。

0306-018.jpg

フルートやギターの色気、パーカッションもとびきりスリリング。一方で、マリアに寄り添うような優しい響きが彼女の深い孤独と哀しみを感じさせるなど、音楽のうねりで物語を描いていきます。

0306-042.jpg

名手ぞろいのガンツァ、お互いに挑発しあうような瞬間もあり、この曲を演奏する彼らの興奮も伝わってきました。
彼らを挑発しているのは、誘惑するマリアか、それともピアソラか、ブエノスアイレスか。魅力的な作品とエネルギー溢れる演奏家の出会いの起こす熱さにやけどしそうなほどの名演でした。

ご来場ありがとうございました。

0306-052.jpg

<アンケートより>----------
♪この迫力と歌唱と演奏のすばらしさにブエノスアイレスにいるかのように思えた。ライヴで聴けてすごくよかった。パーカッションも効いていました。ピアノもすてきでした。

♪このような形の演奏会は初めてでした。とてもかっこよくてステキな演奏会でした。バンドネオンすてきでしたね。

♪この曲をやってくれたことにまず感謝。小島さん、中鉢さんの声も素晴らしかった。

♪1つの作品の中にすばらしいナレーションと歌、演奏のクォリティーの高さに、久しぶりに生の芸術に触れた気がしました。最高に素敵な時間をありがとうございました。

♪曲がかっこよく、マリア役の方がまたとってもかっこよかったです。姿も声も。バンドネオン、ギターの音とてもよかったです。

♪風景が浮かんでとても楽しめました。曲が爽快で想像が膨らむ。三浦さんの世界観も楽しかった。中鉢さんの声が良くて。

♪素晴らしいです。ぜひ再演を、黒木さん、ラ・ストラヴァガンツァ、一馬さんで!!ブラボー

♪本当に素晴らしい公演で、黒木さんに感謝したいです!ぜひ再演していただき、たくさんの人々に音楽というものを超えたこの感動を味わってほしいです。演奏家は全部このメンバーで!

♪曲も演奏もすごく良かったし、できればまた聴きたい。最初の曲が流れた時涙が出ました。

♪音楽によっていろいろな場面が立ち上がってくるのが想像できて面白かったです。皆さんの熱演、とても迫力がありました。

♪初めての演奏形式でとても楽しかった。大谷さんの力強い語りや小島さんの落ち着いた声、中鉢さんの通る歌声、バンドネオンと一体の演奏が素敵でした。

♪最初から鳥肌が立つような音楽で始まり、朗読、歌共にとても素晴らしかった。

♪こんなに拍手したのは初めてです。

♪最初から最後まで鳥肌が立つような、素晴らしい2時間でした。演奏も歌も語りもすべてが最高。大谷さんの語りが格好良すぎます。訳詞がなんとも文学的で、何度も読み返したい。お願いです、このキャストでどうか再演を!!

♪難解でしたが素晴らしかったです。また聴きたいと思いました。

♪とても素晴らしかった。また再演を望みます!非常に意義のあるプログラム、取り上げていただき感謝です。

♪ネットで予習(?)しましたがやっぱり難しい。でも演奏も歌もとても心地よいです。思わず足でリズムをとったり首を振ったり、楽しい時間でした。

♪日ごろ接することの少ないアルゼンチンタンゴの音色でしたが、語りや歌声、素晴らしい様々な楽器の音色で異文化の中にすっぽりと身を置いたような、不思議な感覚でした。

♪音楽が最高にかっこよかったです!一気に歪んだ時空へ連れていかれました。歌詞は対訳を追いながらでも何を言っているのかよくわからなかったのですが、マリアの孤独と哀しさゆえの情熱はひしひしと伝わってきました。

♪久々にすごい演奏に出会い、ラッキー!

♪新しい感覚、音楽と語り、歌のマッチングが最高!黒木さんプロデュースの才能が輝く!三浦さん、ベース、フルート、とにかく演奏者の息がピッタリ。久しぶりに良いものを聴かせてもらえた!!

♪別世界に連れて行っていただきました。歌い手の方、朗読、演奏素晴らしかったです。三浦さんすてき、相変わらず。

♪感動がハンパない!!最高!!かっこよすぎて、皆さんの演奏、忘れません。

♪このような企画を長野で実現していただき感謝します。音楽に浸って時間が短く、もっともっと聴きたかったです。素晴らしいミュージシャンの方々を集めてこのコンサートを実現してくださった黒木さんに感謝します。中鉢さんの声が素敵でした。

♪素晴らしすぎて涙が出ました。歌詞対訳の冊子、宝物にします。ピアソラの顔、ピアソラの姿、浮かびました。

♪オペラでも演劇でもなく、何とも不思議な感覚でした。3名の声にもどんどん引き込まれるような…「マリア」とは聖なる人との感覚が、どんどん頽廃した「マリア」像になっていくような感覚でした。

♪しびれました。長野でこのような公演が聴けて幸いです。歌詞の内容も話の内容もよくわかりませんでしたが、何とも言えない感動!!!新しい世界を知りました。

DATE
2022年3月6日[日]
14:00開演(13:15開場)
VENUE
メインホール
TICKET
前売り券 ¥4,000
当日券  ¥4,500
[いずれも全席指定・税込]

12月4日(土)チケット発売

その他プレイガイド

カテゴリー