Performances & Events加藤昌則のぶっとび!クラシック 室内楽コンサート

概要
クラシックの奥深い世界への「とびら」を、作曲家・ピアニストの加藤昌則がひとつ、ふたつと開けちゃう、人気レクチャー講座の番外編!
誰もが知るクラシックの名曲を一挙に聴けちゃう!
もちろん加藤さんの楽しい解説トークつき♪
■9月17日(土)10:00~ チケット一般発売
出演者 | 加藤昌則(ナビゲーター/ピアノ) 成田達輝(ヴァイオリン) 笹沼 樹(チェロ) |
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プログラム | モーツァルト:キラキラ星変奏曲(Pf) サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン(Vn/Pf) リムスキー=コルサコフ(加藤昌則 編曲):熊蜂の飛行(Vn/Vc/Pf) フォーレ:エレジー(Vc/Pf) ボロディン:歌劇『イーゴリ公』より「ダッタン人の踊り」(Vn/Vc/Pf) ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲 第2番 Op.67 音楽科のズバリ本音の座談会(トークコーナー) |
主催 | 一般財団法人長野市文化芸術振興財団 |
公演レポート
一昨年に引き続き、成田達輝さん(ヴァイオリン)、笹沼樹さん(チェロ)をゲストに迎えて、ピアノ三重奏のコンサートとなりました。
前半は、レクチャーのおさらいを、大人気の名曲で。
1曲目のモーツァルト《きらきら星変奏曲》から、加藤さんのわかりやすい解説が入ります。アイディアをどんどん披露していく変奏は、どんな世代でも聴いて楽しい1曲。
続く《ツィゴイネルワイゼン》では、成田さんの超絶技巧を目の当たりにします。
この熱狂を19世紀の人々も感じていたという加藤さんの言葉に、やんやと盛り上がっていた人たちの姿が見えるよう。手をたたいたり、足を踏み鳴らす人もいたかもしれません。
《熊蜂の飛行》は、今日は加藤さんによる編曲で「ハエ」の飛行に。舞台の上でみんながハエを追う、ちょっとしたコントのようで笑いが漏れます。
そして、フォーレの《エレジー》。教会オルガニストだったフォーレの不倫の恋、さらにそこにドビュッシーの名も…。作曲家たちの人間味に触れます。笹沼さんの深い音が慟哭する、色気溢れる1曲です。
前半最後はトリオで、ボロディン「ダッタン人の踊り」。ユーラシア大陸の草原や空が見えるような美しいメロディに酔います。
後半は、ショスタコーヴィチの《ピアノ三重奏曲第2番》。演奏に先立つ3人のトークテーマは、ずばりショスタコーヴィチについて。
それぞれにこの作曲家には思いもある3人ですが、やはり彼を語るには、スターリニズムのソ連について触れなくてはなりません。
粛清の時代を生き抜いたショスタコーヴィチ。ちょっと不思議な和声も、美しい旋律の後の皮肉な響きも、兵士の靴音のようなリズムも、悲しい鐘のようなピアノも胸に迫ります。
ことに今起きている戦争や、全世界的な不安な状況もシンクロして、音楽はこれから何を生み出していくのかということまで考えてしまいます。このような世界でも、我々はしたたかに生きていく、という思いも感じられるようなエネルギッシュな3人の演奏は圧巻でした。
アンコールは、前回この3人で演奏した《献舞三奏》。3人の火花散るようなやり取りに興奮!
そして、フォーレならぬ加藤さんの若い日の恋のエピソードも甘酸っぱい《Duet》をピアノトリオ版でお聴きいただきました。
熱狂と恋、前半のプログラムと呼応し、今生まれつつある名曲もまた、人の思いを乗せて奏でられていくのだと感じました。
ご来場ありがとうございました。
<本日のアンコール曲>
加藤昌則:献舞三奏
加藤昌則:Duet
<アンケートより>
♪音楽の素人ですが、わかりやすいレクチャーがあるので、言葉通り音を楽しむことができました。室内楽に足を運ぶのも初めてだったので、奏者の呼吸も曲の一部となり、やはり生で聴くほうが断然素晴らしく感じました。
♪クラシックに疎い自分にとって、解説付きでとても興味をひかれる、楽しいコンサートでした。
♪講座で学んだことを復習できる、とても良いコンサートでした。みんなで盛り上がることのできるモーツァルトの変奏曲から、作曲家の思いが痛いほどに込められたショスタコまで、クラシック音楽の幅広さを感じました。アンコールの《Duet》はとても素敵な曲で、ゆったりと堪能させてもらいました。
♪前半の《熊蜂の飛行》は、演奏よりもコントのようで、涙が出るほど笑ってしまいました。後半のショスタコーヴィチは、そういえばコンサートでは聴いたことがなかったかな?取り上げていただいてとても良かったです。成田さんが「兵士のマーチのように…」と話されたように、第一楽章の頭のチェロの音が、戦争に駆り出された若い兵士の哀しい嘆きの口笛のように思えました。
♪ショスタコーヴィチ、重く哀しい、最後に明るい未来を見たような。
♪レクチャーを受けてきたので、音楽を深く楽しむことができて良かったです。背景など知って聴くのとそうでないのでは、全然違ったものに感じます。アンコールの曲で、尺八のような音をヴァイオリンで出していましたが、あんな音が出せるんだ!?と驚きました。新しい発見でした。
♪とても楽しかったです。ピアノ、チェロ、ヴァイオリン、それぞれの演奏もよかったですが、トリオの演奏素晴らしかったです。加藤さんの解説も絶妙でした。最後の曲は、ショスタコーヴィチを聴いた後なにか安らぎ、泣けてきました。作曲家・加藤昌則の生きている時代を感じました。
♪チケットもっと早く買って、前の方で聴けばよかった!前半の、今年のレクチャーおさらいの曲たち、どれも素晴らしかったけれど、やはり後半メインのショスタコーヴィチのピアノ三重奏がとてもとても心に響きました。第3楽章の叫ぶかのような悲しみに共感してしまい、そこからずっと涙が止まりませんでした。第4楽章で最後のピアノの和音が少し長調になったときに、さらに涙ぼろぼろでした。この先、希望はあるのだろうか?…あると思いたいです。《Duet》全然不純じゃないです!優しい響きに涙しました。
♪メインのショスタコーヴィチは、若手二人のスリリングな演奏が素晴らしく圧倒された。
♪ショスタコーヴィチが凄すぎて衝撃でした…。自分ではこの曲は初めて聴いたと思うのですが、最初の出会いが今回のこの生演奏で本当に良かったなと思います。
- DATE
- 2023年1月28日[土]
14:00開演(13:30開場) - VENUE
- リサイタルホール
- TICKET
- 一般¥3,000
高校生以下¥1,500
(全席指定・税込)
※未就学児入場不可
■9月17日(土)10:00~一般発売
その他プレイガイド
- 長野市芸術館チケットセンター
tel:026-219-3191 [10:00~19:00/火曜定休] - ヒオキ楽器本店シャコンヌ(窓口販売)
- 美鈴楽器本店(窓口販売)
