Performances & Events近藤薫プロデュース リヴァラン弦楽四重奏団 #2

概要
東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスター、近藤 薫が
最も信頼のおける仲間たちと一昨年に立ち上げ、大センセーションを巻き起こした
長野市芸術館発の弦楽四重奏団、待望の第2公演!
■チケット発売日 10/29(土) 10:00~
出演者 | 川久保賜紀/近藤 薫(ヴァイオリン) 佐々木亮(ヴィオラ) クリスティアン・ギガー(チェロ) |
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プログラム | モーツァルト: 弦楽四重奏曲 第13番 二短調 K.173 ハイドン: 弦楽四重奏曲 第38番 変ホ長調 Op.33-2 「冗談」 J.S.バッハ: フーガの技法 BWV1080より 第14コントラプンクトゥス スメタナ: 弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調「わが生涯より」 |
主催 | 一般財団法人長野市文化芸術振興財団 |
公演レポート
「お久しぶりでございます。とうとう4人で帰ってこられました」という近藤薫さんのあいさつに温かい拍手があふれた、3年間待ち続けたリヴァラン弦楽四重奏団第2回定期演奏会。
「リヴァラン」という名にこめられた「必ず帰って来る」という約束がかなった公演でした。(Vn:川久保賜紀・近藤薫 Va:佐々木亮 Vc:クリスティアン・ギガー)
今回のプログラムは、モーツァルト、ハイドン、バッハ、そしてスメタナ。
前半のモーツァルト、ハイドンという名前は、宮廷風の優雅な音楽を想像させますが、今回はさにあらず。モーツァルトの弦楽四重奏曲第13番は、晩年の《レクイエム》と同じ、ニ短調の暗い輝きが魅力的な作品です。
「この調でこんなカルテットの作品もできる、という、曲そのものがモーツァルトの壮大な冗談のよう」という近藤さん。
引き続くハイドンの第38番は《冗談》というタイトル付き。あちこちにはりめぐらされたちょっとしたおかしみ、曲の終わりの肩透かしにも、人をかついで「なんてね」と肩をポンとたたくような気安さがあります。ハイドンの笑顔やウィンクが見えるようです。
後半は、バッハ《フーガの技法》第14コントラプンクトゥス。
4本の楽器が緻密に絡み合い、壮大な模様を描いていたかと思えば唐突に断ち切られる、バッハ最晩年の未完の作品です。ここからバッハはどこへ行こうとしていたのか…ホールに漂うその響きの断面を追うような場内の沈黙、それに続く喝采が印象的でした。
続くスメタナの《わが生涯より》。スメタナ自身の音楽による自伝でもあるこの作品、チェコならではの舞曲や美しい旋律、そして終盤の耳鳴りが痛ましく、音楽はこんなに雄弁に心を語るのかと打ちのめされるようです。バッハの作品が未完の作品であったように、スメタナ自身の求めた音楽も彼の中では未完だったのだろうと思わされます。音楽は生身の人間の心と手が生み出し、その思いへの共感が歌い継いでいくものです。
ここでリヴァランの4人が奏でていたのは、触れれば体温や鼓動を感じ、切れば血の出るような、実体感に満ちた生身の音楽でした。
共に演奏し、ホールで多くの人と思いを共有する喜びもまた、生身の人間でなくては味わえないもの。そして人がその場でつくるもの。
コロナで4人そろうことができなかった間、私たちが彼らの音楽に触れられなかった間に待ちこがれていたのは、この生の音楽の手触り、そして人と人がそこにいることで共有できる感動だったのだと、ひしひしと感じました。
<アンコール曲>
モーツァルト:ディヴェルティメント K.138より 第2楽章
<アンケートより>
♪Super!!!
♪絹のような音色が素晴らしい。プログラムが良い。対位法が好きです。ビブラート最少の弦は良いですね!(Bach)
♪去年チェロ不在でぜひカルテットを聴きたかった。スメタナには本当に感激しました。4人の熱演は素晴らしかった。
♪クラシックって深いなーと感じました。楽器が少ないためなのか、作曲者の心の中をのぞいているような…(オーケストラでは奏者が多いためか、あまり感じないのですが)。最後のスメタナでは、なんだか泣けてきました(耳鳴りの音で)。
♪特に《冗談》が良かった。クラシックで笑ったのは初めてでした。とても楽しかった。事前の近藤さんのさらっとした解説が良かったのかも。本当に感動で一杯でした。聴く人のことを思い演奏されているのをすごく感じました。
♪終わり方の面白い曲が多く楽しめた。バッハのチェロの音は最高でした。
♪4人そろってよかったです。皆さんの演奏している時の表情も。改めて弦楽四重奏が好きになりました。
♪この入場料でこれだけの演奏が聴けるということは本当に嬉しいです。弦楽四重奏を聴く機会はあまりないので、弦楽器4本だけの音色は安らぎも感じます。オーケストラでたくさんの弦楽の演奏で強く出てくる音と違い、素敵な響きを感じます。
♪4人の和やかな雰囲気と緻密なやり取りが間近に感じられて、とても楽しませてもらいました。《冗談》の遊び心もよく、バッハは身を委ねて聴きました。スメタナには圧倒されました。百戦錬磨の方々が引き立て合い、個性を出し合うと緊張と弛緩がぴったりで、こんなにぞくぞくする瞬間が生まれるのかと。至福でした。
♪素晴らしい演奏でした。選曲にこめたメッセージに思いを巡らせてみたいと思います。
♪Bach震えるほどよかった。スメタナも、こんなスメタナ初めて!
- DATE
- 2023年1月16日(月)
19:00開演(18:30開場) - VENUE
- リサイタルホール
- TICKET
- 一般 4,000円
(全席指定・税込)
■10/29(土) 10:00~ チケット発売
その他プレイガイド
- 長野市芸術館チケットセンター
tel:026-219-3191 [10:00~19:00/火曜定休] - e+(イープラス)
https://eplus.jp - ヒオキ楽器シャコンヌ [窓口販売]
- 美鈴楽器本店 [窓口販売]
