Performances & Events水曜ひるまのクラシック・リサイタルシリーズ vol.58 佐藤晴真 チェロ・リサイタル

公演レポート

ひんやりと秋めく風がようやく感じられるようになった10月。今月の水クラは佐藤晴真さんによるチェロ・リサイタルです。チケットは発売早々にソールドアウト！開場と同時に多くのお客様が入場される様子からもその期待度が伺えます。

明かりを絞ったステージに颯爽と登場する黒いシックな出で立ちの佐藤さん。まずはバッハ《無伴奏チェロ組曲第4番》を厳かに。チェロとホールが共振するかのように響き、揺さぶり、その演奏に満たされます。

そして、フォーレ《チェロとピアノのためのソナタ 第2番》でピアニスト酒井有彩さんが登場。目の覚めるような鮮やかなロイヤルブルーのドレスがまたひとつ、ステージの雰囲気を盛り上げます。ピアノとチェロそれぞれが存在感を放ち、対話する一曲。

後半の演奏前のトークコーナでは、佐藤さんからたっぷりとお話を伺います。楽器との出会い、魅力、ご自身のターニングポイント。落ち着いた、心にしみ込むような語り口にも引き込まれます。音色の幅が広く、様々なイメージを掻き立て、そしてそれを形にすることのできるところが佐藤さんにとってチェロの最大の魅力と語っていただきました。

トーク後半ではピアニスト酒井さんも参加。水クラのステージは2回目となる酒井さんですが、佐藤さんの演奏家としての魅力は「何と言ってもその響きの漂い方の美しさ」と断言します。一方佐藤さんからは酒井さんを「フレキシビリティがある演奏家。演奏を通して会話ができる相手であり、とにかく楽しく、嬉しい」とお互い刺激を受けあう貴重な演奏家同士であることをうかがい知ることができました。

そして後半はドビュッシー《チェロとピアノのためのソナタ》、フランク《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》という聴きごたえのあるプログラム。佐藤さんの手によるプログラム解説と一緒にイメージを膨らませてお楽しみいただいた方も多かったのではないでしょうか。

鳴り止まない拍手の中、アンコール2曲を披露して会場は大興奮の終演となりました。

ご来場ありがとうございました。

＜本日のアンコール＞
フォーレ：夢のあとに
サン＝サーンス：白鳥

＜アンケートより＞
♪素晴らしい音色、響きに心が揺さぶられました。
♪息の合ったチェロとピアノの音を感じながら聴いていました。
♪お二人の間を行き交うエネルギーが見えるような熱演に感動しました。
♪チェロの音色が私の体の細胞に沁みこむように響きました。
♪一曲ごとにため息がでるような素晴らしい音色。
♪ドビュッシーのソナタ、感動しました。ピアノとの会話がよかった。
♪ピアノとの息の合った演奏、心を奪われました。