Performances & Events水曜ひるまのクラシック・リサイタルシリーズ vol.57 住谷美帆 サクソフォン・リサイタル

公演レポート

「水曜ひるまのクラシック・リサイタルシリーズ」、2025年度後半が今月からスタート！9月の水クラは住谷美帆さんのサクソフォン・リサイタル、ピアノはAKI マツモトさんです。
今回もチケットはソールドアウト！満席のリサイタルホールに、白と黒のスタイリッシュなパンツスタイルの衣装でお二人が登場します。シャープな雰囲気のステージで、まずはクライスラー《愛の喜び》から演奏会がスタート。優雅で華やかな幕開けです。

今回の楽曲や楽器についてなど、曲間のMCも序盤からたっぷりと。住谷さんは長野でのリサイタルは初めてとのことで、「やっと来れたという感じです」と笑顔を見せてくれました。

ソプラノ・サクソフォンとアルト・サクソフォンを持ち替えながら、そして技巧的な曲とメロディを歌い聴かせる曲とを鮮やかに行き来しながら、躍動感あるピアノとのアンサンブルで魅了します。
《小さな空》など武満徹の歌曲３曲は、サクソフォンで奏でられるシンプルな旋律に、新鮮な美しさが感じられます。

さらに、今回の「長野をイメージした曲」、F.デュクリュック《サクソフォン・ソナタ 嬰ハ調》は、季節ごとに変わる自然のイメージや第２楽章の雪が降るような抒情的な部分を、住谷さんの解説と併せて楽しんでいただけたのではないでしょうか。

トークコーナーでは、吹奏楽部でサクソフォンを始めたエピソードや、楽器を選ぶ際のポイントなどをお聞きしました。AKIさんもトークに加わると、お互いの印象や演奏スタイルについてのお話も。さらにはスロヴェニアのコンクールの時の逞しい思い出話なども交えて、住谷さん曰く「阿吽の呼吸」のお二人の関係がうかがえる時間となりました。

後半はラヴェル《亡き王女のためのパヴァーヌ》、そしてプロコフィエフ《フルート・ソナタ ニ長調 Op.94》。美しく流れるようだったり、スリリングだったり、サックスのいろいろな音色が引き出される聴きごたえ抜群のフィナーレは圧巻でした。

大きな拍手に応えて、アンコールはピアソラの１曲を。とにかく多様なサックスの音を味わい尽くす、充実のリサイタルとなりました。

ご来場ありがとうございました。

＜本日のアンコール＞
ピアソラ：「タンゴの歴史」より Bordel 1900

＜アンケートより＞
♪サクソフォンの歌うような音色は、武満徹の歌曲によく合って素晴らしかった！
♪デュクリュックのソナタ、良かったです。サックスを吹く美帆さんカッコイイです。こんなに楽しくサックスを聴いたのは久しぶりです。歌うようにとおっしゃってましたが、本当に歌ってるようでした。
♪技巧的な曲は圧巻でしたし、しっとりとした曲は聴いていても本当に心地良かったです。ピアノのAKIさんとの信頼感も垣間見える演奏で、楽しいリサイタルでした。
♪お話がたのしかったです。ラヴェルとサックスのウラ話とか、今後サックスを聴く機会に思い出してしまいそうです！音だけでなく人柄もすてきでした！お２人のアンサンブルもとてもきれいでした。
♪すごいテクニックです！柔らかな音色も、プロコみたいな激しい音も自在に吹き分ける！！
♪サックス吹きです。フラジオがこんなに沢山聴けるとは思ってなかったので、とても楽しかったです。武満さんの曲は自分でも吹いてみたくなりました！素晴らしい時間をありがとうございました。