Performances & Events加藤昌則のぶっとび!クラシック 作曲家編【バッハ】 4時間目:十人十色? バッハの聴き比べ

概要

大好評のクラシック音楽がも~っと面白くなるレクチャー講座、ついに6年目。今年は80分では喋り足りない(!?)その先へ。
音楽の父「バッハ」を全5回の講座で深掘り!今までよりもう一歩深く濃く、作曲家のあれこれに踏み込んでいきますよ!
もちろん軽妙なトークと親しみやすい雰囲気はそのままに、加藤節 大・炸・裂☆
5年間ついてきてくださった長野の皆様にだからお届けできる新たな試み。
盛りだくさんの内容でクラシック音楽のさらなるヒミツを解き明かしてみせましょう!

■7月15日(土)10:00~ チケット発売

出演者 加藤昌則(作曲家・ピアニスト)
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団
特別協賛 長野都市ガス株式会社
助成 劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)│独立行政法人日本芸術文化振興会

公演レポート

大好評のレクチャー講座、今年は全5回「バッハ」漬け!音楽の父・J.S.バッハをフィーチャーして、あらゆる角度からその魅力を紐解いていきます。
4時間目のテーマは「十人十色?バッハの聴き比べ」。バッハの曲を演奏する際の“正解”とはなんぞや?というお話や、演奏者ごとに表れる違いの聴き比べなど、今回も盛りだくさん!

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レクチャーの冒頭、ステージに現れたのはキラキラと輝くクリスマスツリー!…と、飲み干したワインの瓶、空き缶、そして請求書の山…?!! 素行の怪しいサンタの様ですが、おおきなプレゼントの箱も!クリスマスの朝、“まさのりくん”に届いたプレゼントのようです。3つのプレゼントは… ①「バッハのすべて」と題された本、②「平均律クラヴィーア曲集」の楽譜、③バッハの曲が詰まった名曲CD! バッハに興味のなかった”まさのりくん”はあまり嬉しそうではありませんでしたが……バッハを知る事で初めて欲しくなるプレゼントだったようです。(ご来場の皆さんは、「バッハのすべて」なんてぜひ欲しい!と思われたはず!)

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さておき今回の本題は、そんなバッハが作った曲を、後世の演奏者が演奏するときに表れる違いのお話です。
バッハの時代にはまだ現在の形のピアノがなく、使われていたのはハープシコード(チェンバロ)。バッハはピアノで演奏することを想定して作曲したのではないというところから、現代にバッハを演奏する際には奏者ごとの解釈の違いが出てきます。「バッハの曲をピアノで演奏するなら、ハープシコードにはないペダルを使うべきではない!」派、「ピアノとハープシコードは別の楽器なのだから、ピアノで弾くならペダルを使うべき!」派、「そもそも当時すでにあったハープシコードで演奏しなければ、バッハ演奏の正解ではない!」派、それぞれの立場の主張から、演奏方法や表現の仕方が異なってくるのです。

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ということで、バッハのヴァイオリンソナタをいくつか聴き比べ!ハープシコードとヴァイオリンで淡々と演奏するものもあれば、ピアノ演奏ならではのスタッカートを用いたもの、ゆっくりとしたテンポだったり、歌うようにメリハリをつけたり……演奏者によって、本当にいろいろなニュアンスの違いが出ています。「1つの演奏を聴いただけで、バッハの好き嫌いを判断するのはもったいない!」と加藤さん。ぜひぜひいろんな演奏を聴き比べて、お好きなバッハの演奏を見つけてみてくださいね!

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そして、バッハといえばこれ!というほどの有名曲《G線上のアリア》。この曲は、「管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068」に含まれている1曲ですが、この管弦楽組曲を最初から聴いたことがある人は実はあまりいないのでは?躍動感のある素敵な曲ですが、この曲には、音程が違うメロディが輪唱のように連なっていく「フーガ」の形式が用いられています。作曲するのも聴くのも難しいフーガですが、バッハはこれをいろいろな曲に応用!作曲技法に優れていたけれど、技術をひけらかさない楽しい曲の中にも、さりげなくテクニックが詰まっているのも、バッハのすごいところ!そんな部分にも目を向けてみると、さらにバッハの偉大さを感じられるかもしれません。

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最後は、12月の「ぶっとび!クラシック」シリーズではお馴染みになってきました加藤昌則 作曲『オン・ザ・クリスマス・デイ』よりイントロダクションを披露。みなさんからもまた聴きたいとリクエストもいただいておりました。クリスマスソングの美しいメロディがたくさん登場し、切ないながらもあたたかいクリスマスの気分に浸れる演奏でした。

次回5時間目は1月17日(水)18:30開演、今年度の振り返りコンサートです。次回もどうぞお楽しみに!

《本日の演奏曲》
加藤昌則:『オン・ザ・クリスマス・デイ』より イントロダクション

<アンケートより>
♪バッハの曲が演奏家によってあんなにちがってくるものなんだなあと思いました。自分の技術をさりげなく、しかもきっちり楽しい音楽にも入れている……ということ、いい学びになりました。
♪ピアノのない時代に作られた作品を、現代の楽器で弾くとき、どのように表現すべきか…ずっと疑問に思っていました。「正解はない」今日の先生のお話をお聞きして腑に落ちました。いろんな解釈があっていいんだという、何だかバッハの懐の広さを感じることができた回でした。
♪そもそもバッハの音楽だけで聴き比べが成り立ってしまうんだなーと、改めて思わされたのが、面白かったです。
♪難しいバッハを、今年は耳になじませようと聴き流していました。レクチャーで学んで、少し違って聴こえてきたかな… 小学校音楽会で「小フーガ」をやりました。今日のようなお話を、その時してほしかったなあー。

DATE
2023年12月20日(水)
18:30開演(18:00開場)

■7月15日(土)10:00~ チケット発売
VENUE
リサイタルホール
TICKET
[一般]
5回セット券 ¥4,500
各回 ¥1,000

[高校生以下]
5回セット券 ¥2,400
各回 ¥500

いずれも全席指定・税込

※未就学児入場不可

その他プレイガイド

  • 長野市芸術館チケットセンター
    TEL 026-219-3191 [10:00-19:00/火曜定休]

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