Performances & Events加藤昌則のぶっとび!クラシック 作曲家編【バッハ】 3時間目:歴史が認めたバッハの真価

概要

大好評のクラシック音楽がも~っと面白くなるレクチャー講座、ついに6年目。今年は80分では喋り足りない(!?)その先へ。
音楽の父「バッハ」を全5回の講座で深掘り!今までよりもう一歩深く濃く、作曲家のあれこれに踏み込んでいきますよ!
もちろん軽妙なトークと親しみやすい雰囲気はそのままに、加藤節 大・炸・裂☆
5年間ついてきてくださった長野の皆様にだからお届けできる新たな試み。
盛りだくさんの内容でクラシック音楽のさらなるヒミツを解き明かしてみせましょう!

■7月15日(土)10:00~ チケット発売

出演者 加藤昌則(作曲家・ピアニスト)
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団
特別協賛 長野都市ガス株式会社
助成 劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)│独立行政法人日本芸術文化振興会

公演レポート

大好評のレクチャー講座、今年は全5回「バッハ」漬け!音楽の父・バッハをフィーチャーして、あらゆる角度からその魅力を紐解いていきます。
11月22日開催、3時間目のテーマは「歴史が認めたバッハの真価」。今でこそ「音楽の父」といわれるバッハですが、現在のような評価が浸透するまでには、どんな流れががあったのか?歴史の中で発見されてきた、バッハの曲の凄さや魅力を解説しました!

DSC07961.JPG

今回のカギとなるのは、バッハが作曲した《マタイ受難曲》。
バッハは教会や王宮に仕えて作曲活動をしていたこともあり、オペラ作品は残していませんが、《マタイ受難曲》はオペラさながらの荘厳な大作。バッハが音楽監督を務めていた、聖トーマス教会で初演されたと伝わっています。ただバッハによって発表された当時は、聖書の物語を伝えるための音楽、という程度の認識がされていたようです。

DSC07942.JPG

そんな《マタイ受難曲》を「復活」させたのが、メンデルスゾーン!
聖書にあるような神の物語を、音楽で劇的・圧倒的に感じさせるバッハの力量に気づき、凄さを発見したメンデルスゾーン。彼によって聖トーマス教会でこの曲が上演されたことがきっかけでこの曲の真価が理解され、バッハの音楽が再評価されることにつながったそう。

ということで今回はそんな《マタイ受難曲》より第26曲から第29曲を、加藤さんが生実況解説!
この曲にまつわる復活の物語を知り、ドラマチックで計算された音の効果などを流れに沿って実況解説を聴くことで、凄さを発見したメンデルスゾーンの驚きや興奮も感じられるような気がします。

DSC07953.JPG

さて、バッハの曲には、他にもこうした圧倒的な技術が詰め込まれている、とのことですが、ここでなぜか大量のティッシュ箱が登場?!積み重ねた箱で音の階段を表現し、階段を上ったり下りたりするミニチュア加藤さんの動きで、〈経過音〉〈刺繍音〉〈倚(い)音〉〈掛留音〉を解説しました。音と音の間に、経過音や刺繍音など追加の音をはめていくことで、ミニ加藤さんの動きもスムーズに……つまり、フレーズがなめらかに聴こえるようになるのです!ぶっとび!

DSC07989.JPG

バッハの《インヴェンション》より第14番や、第6番には、このようなテクニックがとても効果的に使われていて、「シンプルなメロディもグッと魅力的になっている」と加藤さん。作曲家として細部も手を抜かないバッハの職人気質に、後世の作曲家たちも魅了されたことで、バッハの真価が認められてきたのですね!

DSC07995.JPG

締めくくりの演奏は、バッハの《パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV 825》。この曲もメロディは単純なものですが、刺繍音などいろんな音が加えられて、加藤さんいわく「リッチな感じ」がする曲になっています。用いられているテクニックがわかると、なんとなく聞いたことがあった曲も、聞こえ方が全く変わってくるのではないでしょうか?

DSC08003.JPG

今回も、バッハの曲やクラシック音楽の奥深さにグッと引き込まれるレクチャーとなりました。

<アンケートより>
♪前半は、思いがけず「マタイ受難曲」の実況が聞けて、始まった時はただ単に「あー、彼の作った教会用の曲だー」としか思っていなかったのが、曲の説明と実況のおかげで「キリストのこの後の運命やいかに!?」とドキドキ、ザワザワしながら聴けたのが、自分でもおもしろかったです。
♪未知の世界への扉が開けた気がします。今度音楽を聴くときは、その音がどのような役割を果たしているのか意識しながら聴いてみようと思います。
♪何年か前に「マタイ受難曲」を聴いたことがあり、何がなんだか……でしたが、今日のレクチャーで「そうだったのか」と思えました。バッハの楽譜にやたら音符が多い理由も納得できました。
♪音楽大学の時、マタイ受難曲の授業があったが、先生1人でわからないことをずっと話していて、すごくつまらなくて嫌いになりました。今日は、マタイ受難曲がとても素敵な曲だと加藤先生に思わせていただきました。
♪経過音、刺繍音、倚音、掛留音。ピアノを弾いていて先生に「これは倚音です」と言われても、イマイチその効果がわからなかったが、今日の加藤先生のお話を聴いて、これら4つの音の大切さが体感できました。知識がなくてもバッハの音楽は美しいし、心を揺さぶられますが、勉強すればするほどより深くバッハの音を楽しめると思いました。バッハは本当に奥深いのですね。

DATE
2023年11月22日(水)
18:30開演(18:00開場)

■7月15日(土)10:00~ チケット発売
VENUE
リサイタルホール
TICKET
[一般]
5回セット券 ¥4,500
各回 ¥1,000

[高校生以下]
5回セット券 ¥2,400
各回 ¥500

いずれも全席指定・税込

※未就学児入場不可

その他プレイガイド

  • 長野市芸術館チケットセンター
    TEL 026-219-3191 [10:00-19:00/火曜定休]

カテゴリー