Performances & Events水曜ひるまのクラシック・リサイタルシリーズ vol.41 辻󠄀 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル

公演レポート

今日の「水クラ」は、辻󠄀 彩奈さんのヴァイオリン・リサイタル。ピアノは伊藤 恵さんです。

今回のプログラムはオール・ベートーヴェン。「ヴァイオリン・ソナタ」第2番と第3番、第9番が選曲されました。《第2番 イ長調 Op.12-2》では冒頭から明るく軽やかなメロディが、凛としたヴァイオリンの音色で響き渡りました。お2人の息の合った演奏が、とても心地良く感じられます。

続く《第3番 変ホ長調 Op.12-3》は、さまざまに移り変わっていく曲の雰囲気に惹きつけられ、ピアノの繊細さも際立ちます。

トーク・コーナーでは、3歳からヴァイオリンを弾いている辻󠄀さんの思い出やエピソードをお聞きしました。
辻󠄀さんのご出身は岐阜県で、演奏会で長野市に来られたのは今回が初めてとのことですが、子どもの頃に通っていたスズキ・メソードの夏期学校で松本市に度々来ていたそう。今回、長野をイメージした曲は《第3番 変ホ長調》で、夏期学校で感じた自然豊かなイメージや、会場となるリサイタルホールの雰囲気に合いそう！と選曲したとのこと。

「小さい頃は本当に練習が嫌いだったけど、年1回の発表会が楽しくて、一生懸命練習していた。人前で演奏するのは大好きだった」という辻󠄀さん。「苦しいと思うときもあったけれど、いつも音楽が近くにあり、いろんなことを音楽とともに乗り越えてこれた」と笑顔で語りました。

トーク後半では伊藤さんも加わり、辻󠄀さんの人柄や奏者としての姿勢についてお聞きしました。辻󠄀さんが10代の頃から何度も共演されているお2人。「辻󠄀さんは、いつも自然体な人だけれど音楽に対しての向き合い方は大人で、音楽への探求心がとても強い人」なのだそうです！そんな想いが、演奏からも感じられます。

トーク後に演奏された《第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」》は30分以上に及ぶ大曲ですが、あっという間の圧巻の演奏でした。冒頭は激しくドラマティックに始まり、第2楽章では軽やかでありながら深みのあるメロディでヴァイオリンとピアノが美しく絡み合います。第3楽章は、華やかに響くヴァイオリンの音色の力強さに魅了されました。

力強さも繊細さも感じられる、ヴァイオリンのさまざまな表情をお楽しみいただけたのではないでしょうか？

ご来場ありがとうございました。

＜本日のアンコール＞
クライスラー：ベートーヴェンの主題によるロンディーノ

＜アンケートより＞
♪すばらしい演奏でした。芯のある骨太な感じがしました。力強く圧倒されました。ありがとうございました。
♪大ファンの辻󠄀彩奈さんをとても近くで見て、素晴らしい音色に感激しました。
♪ベートーヴェンのヴァイオリンソナタはあまり聞いたことがなかったが、緻密で迫力のある演奏でした。ピアノとの息の合った演奏、ピアノの技術的なすごさにも驚きました。すばらしい演奏でした。すごいです。
♪ヴァイオリンもピアノも素敵でした。演奏に引き込まれ…楽しかったです。
♪辻󠄀さんのヴァイオリン、伊藤さんのピアノの素晴らしいハーモニー、2人とは思えない音の広がり！豊かな、深い世界に浸り幸せでした！
♪伊藤さんの柔らかく安定したピアノと辻󠄀さんののびやかで艶やかなヴァイオリンの音色が実によくマッチしていました。濃密なベートーヴェンのソナタの対話を、心から楽しみました。特にクロイツェルは手に汗しながら聞きました！