Performances & Events水曜ひるまのクラシック・リサイタルシリーズ vol.39 長 哲也 ファゴット・リサイタル

公演レポート

今月の「水クラ」は、長 哲也さんによるファゴットのリサイタルでした。
水クラ・シリーズは39回目を迎えましたが、この楽器をフィーチャーするのは2回目！素朴でのびやかな音色をたっぷり楽しめるステージとなりました。

エルガー《愛のあいさつ》やR.シューマン《3つのロマンス Op.94》では、ファゴットとピアノのゆったりと優雅な響きに包まれました。

3曲目に演奏された《秘密の道》は、長さんがリヨン国立管弦楽団首席ファゴット奏者で作曲家でもあるオリヴィエ・.マッソーさんに依頼して作曲された、今回が日本初演の1曲！！ファゴットの広い音域を活かした、不思議な魅力にあふれていました。演奏後にはマッソーさんもステージに登壇され、大満足の笑顔を見せてくれました。

トーク・コーナーでは、その場でファゴットを分解して構造や音の出る仕組みを紹介！

また、自分でリードを作る大変さと重要性についてのお話もお聞きしました。「楽器そのものが大きいこともあり、約3オクターブの音域を小さなリードでコントロールするのは難しいんです」と長さん。ファゴットを吹いていない時間のほとんどは、リードを作る作業をしているそうです…！

そして今回、長野をイメージして選ばれたのはデュティユー《サラバンドとコルテージ》。福岡県出身の長さんは、スキーをしに斑尾高原によく来られていたとのことで、スキーをしながら見る冬山の景色が重なるこの曲が選曲されました。スキーの体験を思い出しながら聴かれたお客様も多かったのではないでしょうか？

オーケストラでは後ろに下がってハーモニーを支えることが多いファゴットですが、ここぞという時にソロを奏でる魅力的な楽器。
今日はこの楽器のいろいろな表情を存分にお楽しみいただける時間となりました。

ご来場ありがとうございました。

＜本日のアンコール＞
R.シューマン：3つのロマンス　より

＜アンケートより＞
♪マッソーさんの曲、ファゴットの特性が存分にいかされたステキな曲でした。ヴィラ＝ロボスのファゴットの音色が美しくのびのびしていて大好きになりました。
♪今まで聞いたことのない楽器で大変楽しめました。ファゴットの色もすてきな赤で初めて見る楽器で感動しました。トークも人間味あふれるお話でおもしろかったです。
♪ファゴット独奏初めて聞きました。音域が広く低音が響きます。吹き方もいろいろ楽しめました。仏からのお客様、ありがとう！
♪ファゴットの音色は何かユーモラスな感じがしていました（ユニークなキャラ）。今日ファゴットとピアノをじっくり聴かせていただき、新しい顔が見られた気がしました。二面性感じました。低音の響き～心地良かった。仏の風を感じました。現代曲に合う音ですね～。生のリサイタルならではでしょうか。お話も沢山聴けて楽しかった。お菓子も楽しみ～！
♪ファゴットだけのリサイタルは初めてです。低音が心地良かったです。日本初演の曲を作曲家と一緒に聴けることはなかなか無いので良い経験でした。また聴きたいです。
♪ファゴットってなんだか宇宙的な響きの楽器だなあと思いました。どこから聞こえるのか…？ピアノとの絡みで表になったり裏にまわったり、不思議で、でも包み込まれるような心地良さでした。