Performances & Events加藤昌則のぶっとび!クラシック 室内楽コンサート トリオで室内楽

概要

クラシックの奥深い世界への"とびら"を作曲家・ピアニストの加藤昌則が、ひとつ、ふたつと開けちゃう人気レクシャーシリーズの番外編!

2021年度の「超ぶっとび!クラシック」の全5回講座で学んだ「時代」を背景に、作曲家たちそれぞれが生み出した色彩異なる名曲を、一味違う角度からお楽しみいただきます!

フルートとヴァイオリンとピアノの珍しいトリオ編成に、ぜひご期待を。


[一般発売]
2021. 9/18(土) 10:00~

出演者 加藤昌則(ナビゲーター/ピアノ)
成田達輝(ヴァイオリン)
上野由恵(フルート)
曲目 【ロックなバロック】
ヴィヴァルディ: フルート・ソナタ集『忠実な羊飼い』より 第6番 (Fl/Pf)

【変奏ブレイク古典派連中】
モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ 第35番 ト長調 KV379より 第2楽章 (Vl/Pf)

【異国好みのロマン派】
ゴーベール: 古代のメダル (Fl/Vl/Pf)

【バレエの歴史はスキャンダラス】
チャイコフスキー: 花のワルツ (Fl/Vl/Pf)

【ノリノリ大好き昔も今も】
ロッシーニ: 「セヴィリアの理髪師」序曲 (Fl/Vl/Pf)
アヴネル・ドルマン: Memory Games (2011) (Vl/Pf)

【癒しの世界は音楽でも】
グバイドゥーリナ: サウンド・オブ・ザ・フォレスト (1978) (Fl/Pf)

【映画音楽作家が本気を出すと】
ニーノ・ロータ(加藤昌則 編曲): 道  (Fl/Vl/Pf)
ニーノ・ロータ: 三重奏曲 (1958)  (Fl/Vl/Pf)
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団
助成 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会

公演レポート

今年度も9月から1月まで、5回にわたって開催してきた大人気レクチャー「加藤昌則の超ぶっとび!クラシック」。毎回「濃ゆい」内容でお届けしてきた、バロックから現代までの300年の歴史を、1日のコンサートでおさらいしようというのが、このコンサート。
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今年は共演者に上野由恵さん(フルート)、成田達輝さん(ヴァイオリン)を迎えました。フルート、ヴァイオリン、ピアノという、ちょっと変わった編成です。
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プログラムは時代を追って進んでいきます。まずはバロックの、ヴィヴァルディ。生き生きとした躍動感はバロックのイメージを一新します。そしてモーツァルトと変奏の楽しみ、ロマン派の時代らしく異国的な響きが楽しい、タイトルからそそられるゴーベール《古代のメダル》(この編成のために書かれた作品のひとつ)、フランスからロシアへその中心を移していったバレエ音楽とチャイコフスキー。加藤さんのナビゲートで、聴きどころの「ツボ」もしっかり押さえ、時代ごとの魅力を確実に受け止められた、と感じられます。音の解像度がぐっと上がる気がします。
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ロッシーニ《セヴィリアの理髪師 》序曲で幕を開けた後半。オペラ序曲のノリの良い「ビート感」を手掛かりにしながら、現代の音楽へ。
ヴァイオリンとピアノによるアヴネル・ドルマン《Memory Games》は変拍子のビートが不思議な興奮を誘う作品。つづくグバイドゥーリナのフルートとピアノによる《サウンド・オブ・ザ・フォレスト》は、しんと静まる空気と澄んだ音色が美しい、まさに「癒し」の1曲。
現代音楽にも積極的に取り組んでいる上野さん、成田さん。演奏にも熱がこもり、興奮の渦の中に、しっとりとした静かな森の中に、聴き手をぐんぐん引き込みます。
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「《Memory Games》のこのビートは、今の私たちが聴くと面白いけれど、モーツァルトの時代の人にはわからないと思う」という加藤さん。
作曲家が、時代の気分を映した作品を創作し、今ここにいる生身の演奏家がその音を、今時空を共有している聴き手に送る。時代を共有しているからこそわかる感覚がある。手から手へ、心から心へと、メッセージが直接渡されているような手ごたえが、現代音楽の楽しさだと実感します。
本編の最後は、ニーノ・ロータによる作品。映画音楽の《道》は、メロディを聴いただけであの哀しく美しい物語の場面を思い出して涙してしまうような有名曲。その一方で書かれていた、《三重奏曲》。映画音楽との違いや共通点を探るのもまた面白い!
様々な時代の様々な曲を1日で聴くというのは、まるで雑多なように見えて、加藤さんならではのこだわりが貫かれています。
そんな種明かしのようなナビゲートで聴いていると、今生まれる音楽、そしてこれから私たちが出会っていく新しい音楽への期待もますます膨らんでいく気がします。
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これから私たちの時代はどんな表現を生んでいくのか、過去の人たちが出会うことのなかった音楽に私たちはこれから出会うことができる。そして、「今日」の音楽を未来につないでいくのは今の私たち自身。ちょっとワクワクしてしまいました。

ご来場ありがとうございました。
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<本日のアンコール>------
加藤昌則:Cacao66

<アンケートより>------
♪小さなホールでトリオを聴くことができて、贅沢の極み。地方公演の曲目は超有名曲ばかり。なので今日のコンサートはとても新鮮。

♪3人だけなのにオーケストラのような音の広がりでした。音のぶつかり合いがエキサイティングでした!「超ぶっとび!」で習ったことが、実演により納得できました。

♪ピアノの音色、フルートの発音、ヴァイオリニストの指の動きなど、細かに見とれたり聴き取れたりできるところが小ホールの魅力であり、トリオの魅力だと思いました。奏者の合図や息遣いが感じられて、生の音楽を堪能しました。

♪加藤さんの解説により、「超ぶっとび!」で教えていただいたことの復習ができてよかったです。すべての時代の音楽をまんべんなく聴くことができて、贅沢なコンサートでした。

♪ドルマン、とっても良かったです。これ聴けたこと、大満足。「Cacao66」かわいいー。

♪「超ぶっとび!」は受講しませんでしたが、今回の合間合間の説明により、より楽しくなりました。演奏も素晴らしかったです。ロータの編曲、おもしろかった!

♪成田さんのおっしゃったお話、音がどう出てくるか、フルート、ピアノと同時に聞こえてくるためにフライング気味に音を出す!!へぇ~すごい!そんな技巧的な音で私の耳に同時に入ってくるんだ!チャイコフスキーのバレエの話も、へぇ~!そうなんだ。バレエはロシアのお家芸と思っていたけれど、こんなわけだったんだのか。現代の《Memory Games》、現代音楽は苦手がぶっとびました。リッカルド・ムーティは現代音楽は振らないんだ、へぇ~!上野さんの現代音楽への言葉、とても腑に落ちました。なるほど…少し近づけたかな。映画好きの私に、ニーノ・ロータはとても親しみがあります。確かに現代音楽、これは苦手ではない。今日はへぇ~!とふ~んの楽しい時間をありがとうございました。

♪5回の講座のおさらいとして、とても興味深く聴けました。楽器同士の組み合わせもとても面白かったです。特にとっつきにくかった現代の音楽も、成田さんや上野さんのお話でもう少し聴いてみたくなりました。

♪加藤さんのお話を聞きながらのコンサートは、わかりやすくてよかったです。フルートの息遣いが伝わってきて、それが良かった。成田さんが喫茶店でヴァイオリンを弾いた等、その方のパーソナリティにも触れることができ、クラシックを身近に感じました。演奏も素晴らしかったです。大満足。

♪3人のトークを挟んで、それぞれの方の人柄が知れたことがまず良かったです。今年の「超ぶっとび!」のおさらいも兼ねていて、後半しか受講してなかったのでラッキーでした!上野さんのフルートはまっすぐな音で、1曲目はバロック時代の風景みたいなものが不意に浮かんできて、早々に涙涙になりました。成田さん、面白いお兄さん!で、《道》の冒頭部分ソロで会場の雰囲気がばっ、と染まったのに鳥肌が立ちました。アンコール曲「Cacao66」良かったです~。

♪ドルマンの超難曲、成田さんの左手がつってしまうのではないかとハラハラでしたが、神業のような演奏に目が釘付けでした。

♪1つのコンサートで時代の流れに沿って全時代の曲を聴ける機会はないと思うので、とても貴重なひとときでした。それぞれの時代の音楽の違いを感じながら聴くことができました。フルート、ヴァイオリン、ピアノのトリオ、素敵でした。ゴーベールの曲に引き込まれました。3つの楽器もですが、お三方の人間性のハーモニーの彩りが素敵でした。

DATE
2022年 1月29日[土]
14:00開演(13:30開場)
VENUE
リサイタルホール
TICKET
一般    ¥3,000
高校生以下 ¥1,500
全席指定・税込

[一般発売]
2021. 9/18(土) 10:00~

その他プレイガイド

  • ■長野市芸術館チケットセンター
     tel: 026-219-3191 [10:00~19:00/火曜定休]
  • ■ヒオキ楽器シャコンヌ【窓口販売】
  • ■美鈴楽器本店【窓口販売】

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