Performances & Eventsリヴァラン弦楽四重奏団 extra edition

概要

ナガノ・チェンバー・オーケストラのコンサートマスターを務めた<冬>シーズンプログラム・プロデューサー近藤薫が、最も信頼のおける仲間たちと立ち上げ、大センセーションを巻き起こした、長野市芸術館発のレジデント・カルテット、リヴァラン弦楽四重奏団。

コロナ禍による海外アーティストの入国が不透明なため、今回は、ヴァイオリン2本とヴィオラによるトリオでの開催。

*チェロのクリスティアン・ギガー氏の出演はございません。

一般発売 12月11日(土)10:00~

出演者 リヴァラン弦楽四重奏団(extra edition)
川久保賜紀(第一ヴァイオリン)
近藤 薫(第二ヴァイオリン/東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスター)
佐々木亮(ヴィオラ/NHK交響楽団首席ヴィオラ奏者)

*チェロのクリスティアン・ギガー氏の出演はございません。
プログラム ドヴォルザーク :ミニアチュア Op.75a
コダーイ:セレナーデ Op.12
イザイ:2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲
主催 一般財団法人長野市文化芸術振興財団
助成 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

公演レポート

「弦楽四重奏団」だから本来なら4人編成のリヴァラン。残念ながら、ドイツ在住のチェロのクリスティアン・ギガーさんがコロナ禍により来日できず、川久保賜紀さん、近藤薫さん(ヴァイオリン)、佐々木亮さん(ヴィオラ)の3人編成での、番外編となりました。

弦楽四重奏団という特別な編成でありながらチェロなしで演奏することについて、迷いはあったけれども「でも会いたかったんです」という近藤さんの言葉に、大きな感謝の拍手がわきました。

今回だけの特別な編成による、めったに聴けない作品を聴ける公演です。

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ドヴォルザークの「ミニアチュア」は、はじまりのノスタルジックな響きが心地よい、短い4楽章から成る作品。小さいけれども精密なアンサンブルがまさに「細密画(ミニアチュア)」の魅力です。

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続くコダーイの「セレナーデ」。作品の背景には、大国との関係の中で翻弄されたハンガリーの歴史と、その歴史の中に巻き込まれたコダーイ、不遇のコダーイを支えたバルトーク、ドホナーニの友情というエピソードも紹介されました。バルトークとの共通点も感じる響き、第1ヴァイオリンとヴィオラの恋の駆け引きが楽しい第2楽章など、民族的な響きにわくわくさせられます。

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後半はイザイ「2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲」。ヴァイオリンの名手としても知られたイザイのこの作品は、「とんでもなく難しい」曲だということ。「(譜読みの時)ページをめくってもめくっても終わらない(川久保さん)」「こんなに難しい曲を弾くのは何年振りか(佐々木さん)」あまりの難しさに「滅多に演奏されない理由がわかった(近藤さん)」という3人。

重音を多用した豊かな響きが一瞬一瞬に色を変えていきます。たった3本の楽器からこんなに厚い音が響くとは!3人の音が一つの大きなうねりになって渦を巻く、まるでマンダラのような響き。その濃密な演奏には聴くものを強く引き込んでいく引力があります。

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「一生に一度しか聴けない曲かもしれません」と近藤さんは話していましたが、この圧倒的な迫力、確かにそうそう感じられるものではないでしょう。演奏後、頭の上で大きく拍手をするお客様の様子からその衝撃と感動が感じられました。

弦楽四重奏は「特別な編成」と話された近藤さん。

緊密に、息遣いまでも合わせていくような精密さから生まれる迫力はまるで大きな一つの楽器が歌っているようでありながら、その一方で、それぞれの持つ音色の魅力や個性もいきいきと立ち上がるという絶妙なバランスに、四重奏「団」としての強い意思が感じられます。今日会場に満ちていたのは紛れもなく3人による「リヴァラン弦楽四重奏団」の響きでした。

次に長野に帰ってくる時は今度こそ4人そろって、と願いながらも、この3人の演奏にもすっかり魅了され、もっと聴きたいと思ってしまう、そんなコンサートでした。

ご来場ありがとうございました。

<本日のアンコール>----------

ドヴォルザーク:母の教えたまいし歌

<アンケートより>----------

♪三人編成というのが、けがの功名?というか今回の曲目になったようですが、どれもよかった。特にコダーイの曲は初めてですがモダンで緊張感があって素敵でした。イザイの曲はオーケストラを聴いているような重厚さと圧倒的迫力、不思議なハーモニーに感動です。

♪コロナがなければ聴けなかった演奏、感動的!ヴィオラの音色を堪能した。

♪3人の息の合った演奏に思わず前のめりになりました。イザイの曲ありがとうございました。感動しました。

♪小さな弦楽器3本であそこまで迫力の演奏が聴けるとは思いませんでした。とても良かったです。ありがとうございました。

♪貴重な曲が聴けとても刺激的でした。そして感動しました。お話も楽しかったです。イザイ、また聴きたいです。

♪3人の編成で普段あまり聴けない、4人とはまた違う魅力を感じた。特にヴィオラの役割を覆いに感じた。「3人でもやろう、チェロはクリスティアン以外ありえない」そのチーム力がとても素敵で感銘を受けました。

♪新たに三重奏の良さを知った。3人のやり取りが素晴らしかった。合間のお話もとても分かりやすく、曲に入り込めた。

♪3人での演奏ということで、普段聴けない曲とのことで予習してきました。来てよかった。来てよかった。来てよかった。ただそれだけ。夢のようだった。生の音が聴けて。

♪近藤さんのたくみな話術と相まって、演奏の楽しみがより増した。3本でもいけるんだ!!すごい!すごい!すごい!イザイ、一生に一度、聴けた。ラッキー!

♪トリオでも最高のパフォーマンスに感謝したい気持ちです。

♪心が潤いました。聴きに来られてよかった。音楽に引き込まれて、コダーイは初めてでしたが情景が浮かんできました。イザイ、このお三方での演奏で聴けて良かったです。

♪ヴィオラの音色が今回は特に聴くことが出来て、目立って素晴らしかった。2台のヴァイオリンの掛け合いが素晴らしかった!珍しい曲目で良かった!

♪川久保さんの冴えわたる音色、佐々木さんのヴィオラのすべてを包み込むような深く安心感のある音色、耳があらわれるようなひとときでした。近藤さんによる曲目解説もプログラムノートよりわかりやすく、生で説明していただけるのはとても贅沢だなと思いながら聴いていました、

♪貴重な演奏をありがとうございました。涯ない海へ、小舟に乗ったようで、不安だけど心地よく、ハーモニー抜群。さすがの名演奏!無事に着地して嬉しかったです。

♪素晴らしかったです。大曲への挑戦、激しくやさしい、対話するような音楽で圧倒されました。引き込まれました。

DATE
2022年2月26日[土]
14:00開演(13:30開場)
VENUE
リサイタルホール
TICKET
¥4,000 [全席指定・税込]

*12月11日(土)10:00発売

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