Performances & Events須川展也プロデュース 長野市芸術館ブラス・フェスティバルVol.4　スーパー・ウインド・オーケストラ with NAGANO12

公演レポート

サックス・プレイヤー須川展也さんと長野市芸術館との共同プロデュースによる、特別なブラス・フェスティバルのvol.4公演をお届けしました。
2019年3月に始動した企画ですが、コロナ禍により2年間の休止を経ての開催となった今回は、2人、12人、100人とさまざまな編成で、吹奏楽の魅力を余すところなく楽しめる特別な公演となりました。

第一部は須川さんのサックスと小柳美奈子さんのピアノによるステージで、やわらかいピアノと艶のあるサックスの音色がどんどん情熱的になるカッチーニの《アヴェ・マリア》からスタート。

須川さんがチック・コリアへ委嘱したソナタ《Florida to Tokyo》は「カッコいいフレーズがたくさん」という須川さんの紹介どおり、聴きどころが満載です。スリリングで緩急の激しい演奏は、13分近い1曲があっという間に感じられます。

第二部は、須川さんの指揮による「NAGANO１２」の芸術館デビューのステージ。全員長野県出身のプロ奏者12名による、“ありそうでなかった”各パート1人ずつの小編成でお届けしました。

石川亮太さんによる作編曲の《ファンタスティック・シナノ・ランド》では、長野県民にはお馴染みの《信濃の国》のメロディが、1つの物語のようにドラマチックに奏でられます。

リーダー・小山弦太郎さん（バリトンサックス）による楽しいMCでは会場の笑いもこぼれ、ラテンのパワーみなぎるララ《グラナダ》へと続きます。NAGANO１２の演奏をバックに、須川さんの自由自在な“超絶”サックスソロを堪能できる1曲でした。

オーケストラの名曲、ドヴォルザークの《『新世界より』より第4楽章》では、本来は弦楽器が演奏するパートも管楽器で演奏され、NAGANO１２の特色を存分に味わっていただけたと思います。この編成だからこそ、それぞれの楽器の音がよりクリアに響きます。

第三部は、北信の高校生たちからなるスーパー・ウインド・オーケストラ（SWO）にNAGANO１２が加わり、約100人の大編成を須川さんが指揮して、迫力ある演奏をお聴きいただきました。

爽やかなマーチの《五月の風》から始まり、《ロマネスク》でも美しいメロディを太く豊かに奏でます。第一部・第二部とは全く異なる大人数での演奏に、会場中が引き込まれました。

SWOメンバー2人と須川さんのトークのコーナーもあり、メンバー2人からは「こんなにたくさんの人数で演奏できる機会はないので楽しい」という言葉も。

続く《「アラジン」シンフォニックメドレー》はそんな大編成のおいしい要素が詰まったメドレーで、映画のシーンが浮かんでくるポピュラーなメロディーを各パートがドラマチックに奏でます。

本編最後は、1曲の中でさまざまな雰囲気が楽しめる《アルメニアン・ダンス　パートI》。特にメリハリのきいた演奏が華やかで、聴きごたえがあります。

そして！アンコールの《オーメンズ・オブ・ラブ》では須川さんの指揮でオーディエンスの大きな手拍子の音も加わり、エネルギーたっぷりに駆け抜けました。

演奏中の須川さんとSWOメンバーとのアイコンタクトも印象的で、息を合わせて音楽を創り上げる緊張感と楽しさがあふれるステージでした。

「部活動や学校生活が終わっても、生涯に渡って楽器を弾くことを楽しんでほしい」という須川さんの願いから、リハーサルも含めて高校生たちがプロ奏者と一緒に演奏を楽しみ、奏者としても成長できる特別な公演でした。コンクールや定期演奏会とはまた違った、新鮮な演奏経験になったのではないでしょうか。

2人、12人、100人とさまざまな編成で、お聴きいただいた皆さまにも吹奏楽の魅力をいろいろな角度から贅沢にお楽しみいただけたことと思います。
満を持して芸術館デビューを果たしたNAGANO１２の今後の活動にも、ぜひご期待ください！

ご来場ありがとうございました。

<アンケートより>
♪皆さんの経歴にまず驚きました。長野出身の方々がこんな風に日本で世界で大変な活躍をされていらっしゃって、これからも長野はもちろん、世界へ羽ばたく人間としても音楽家としても素晴らしい活躍を期待します。
♪100人規模の吹奏楽を聴くことは本当に少ないので、最初衝撃を受けました。とても楽しかったです。ありがとうございました。
♪来て良かったです。長野出身のプロが集まり演奏ってたしかにキセキですね。頑張ってください。部活で頑張っている高校生にとっても、こんな贅沢な機会はないと思います。とてもすばらしいと思います。オーメンズ・オブ・ラブ、最高　チャイムの音が心に響きました
♪高校生らしい選曲で、キラキラで素敵でした。なつかしい曲、思い入れのある曲ばかりで、私自身ワクワクしました。
♪NAGANO12の演奏が12人しかいないのにすごかった。もっといろんな曲を聞いてみたい。オーメンズ・オブ・ラブを私の学校でも長野マラソンで演奏するので、聞けて嬉しかった。
♪とてもとても素晴らしかったです。迫力や繊細さなどが全部ありました。言葉では表せないくらい、すごく良い演奏でした！！聴けて、本当によかったです。
♪1～3部、どれも違う良さがありとても面白かったです。アルメニアン最高でした。
♪少ない人数での演奏、プレイヤーそれぞれが良く演奏されていた。プレイヤー自身も楽しんでいるのが見えて良かった。チック・コリアのアルトサックスとピアノの曲が良かった。
♪長野県からこんなに多くの演奏者がいることを発見できた。よかった。演奏会があればまた聞きに行きたい。
♪NAGANO12。ファンになりそう。
♪ファンタスティック・シナノ・ランドいいですね。キラキラしてワクワク感がありました。とても元気がもらえました。
♪たくさんの曲を聞けてたのしかったです。須川さんがとてもたのしそうに指揮を振っている姿が印象的で、こちらまでとてもたのしかったです！