寄り道も失敗も、全部の経験が今の自分に生きている卒業後、オーディションに受かったりしても、相変わらず声も出ない。憧れの歌手のように歌えず苦しみました。わらなくなってきましたね。そんなころ、隣にいた米良美一くんの歌を聴いて「あれっ?」と。その歌い方なら僕10年以上バンドでやってるけど、田の信州国際音楽村。以来ずっと長野それでいいの?そこで、クラシックもカウンターテナーとして歌うことにしてから、一気に〝楽器〟が正しくなったとが全部できるように。紆余曲折あって今に至りますが、自分の歌に自信が持てる答えがふと見つかっても、身体そのものが楽器ですから、年を重ねて筋力もバランスも変わるとまた迷うという繰り返しです。でも〝楽しい〟は変戻って最初にリサイタルをしたのが上県にご縁をいただいています。長野市芸術館ではジュニア合唱団を指導して2年目。モーツァルトのレクイエムをラテン語で合唱する定期演奏会に向けて頑張っています。答えが一つじゃないということを学べるのが音楽、芸術。今の時代の子どもたちに必要な学びだと思いますね。子どものころから多様な音楽に触れてきました。クラシック、ジャズ、ファンク…高校ではゴリゴリのパンクバンドだし(笑)。教育学部の学生時代に出合ったのが歌舞伎。安く観られる席で週5日の歌舞伎座通いです。ハマりすぎて、教壇より舞台に立ちたくなって。でも歌舞伎役者はもう無理。何かないかと見漁っていたら、イタリア歌劇団に感動して「オペラだ!」と藝大へ。んです。やりたくてもできなかったこ何も知らずに入った藝大の4年間は僕には地獄の日々でした。それでもいろんな先生がチャンスをくださったりして、どうにか卒業しました。ろ くた だみし彌勒史インタビューを聞いて カウンターテナーP r o f i l eArtistInterview『 源氏物語 』等の舞台や「 関ジャム完全燃千葉大学大学院修了。東京藝術大学卒業。平成24年度芸術選奨文部科学大臣新人賞をカウンターテナーとして史上初の受賞。佐渡裕指揮『夏の夜の夢』、A.バッティストーニ指揮「カルミナ・ブラーナ」、市川海老蔵特別公演SHOW」等のTV番組に出演するなど幅広く活躍。また日本音楽コンクール等の審査員も務める。国立音楽大学客員教授。【出演公演】「長野市芸術館ジュニア合唱団第7回定期演奏会」2025年11月2日(日)14:00開演 長野市芸術館メインホール指揮:彌勒忠史 出演:長野市芸術館ジュニア合唱団「長野市芸術館開館10周年記念 カルミナ・ブラーナ2026」2026年5月10日(日)14:00開演 長野市芸術館メインホール指揮:園田隆一郎/加藤昌則 ソプラノ:森麻季 テノール:彌勒忠史 バリトン:加耒徹 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団合唱団:カルミナ・ブラーナ2026合唱団/長野市芸術館ジュニア合唱団 ほか子ども時代からいろんな経験をされ、大学卒業後でも方向転換された彌勒さんの「すべての経験は一つも無駄にならない」「やりたいことがあるなら全力でそっちに向かう方がいい」という言葉は説得力があり、勇気をもらいました。今日は、放送局という場所で働く皆さんのリアルな姿を見て、固定観念にとらわれていたなと思いました。そしてなにより彌勒さんの歌が素晴らしく、貴重な体験ができて最高でした!15年ほど前にイタリアから日本に10 忠
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