明治時代の蔵で味わう落語ライブ!また、前半に演じたのは古典落語のコンサートがメインとなるいつもの「お届け芸術館」とは趣を変えた〝番外編〟として、落語会を開催しました。会場は今号のまち歩きで訪れた西之門よしのやの「穀蔵」。明治時代に建てられ、1990年代まで味噌造りの原料を保管していた場所です。和の伝統芸・落語の世界にぴったりの会場は、約50名の観客で大入り満員。よしのやの藤井信太郎社長をはじめ、仕事を終えた従業員の皆さんも駆け込みで聞きに来られました。「落語というのは、聞く人の頭の中で想像してもらう芸能。例えばアニメより本に近いもので、皆さまの想像力があれば楽しめます。面白くないのは私の力が足りないんじゃないんです」とまず笑わせた一花さん。この日県立大生と巡ったまち歩きの様子を織り交ぜたり、よしのやで試食したしょう油豆を見事にマクラに取り入れたりしていました。「やかん」。川中島の合戦が登場する噺で、長野で演じた人が今までいなかったのをネタ帳で確認していた一花さん。地元にゆかりのある演目は、観客にとって特に興味を引かれるものです。そして本編は、情感豊かに、ジーンと心を打つ新作落語。県立大生の川内さんは「笑うだけではない落語というのがあるんだと初めて知りました」と感想を話してくれました。落語とも通じる古い歴史を刻んだ、蔵という場所で演じられるご縁がうれしいと話した一花さん。ホールとも寄席とも違う、ちょっと特別な時間になりました。長野市芸術館presentsArtist Profile(参考:「ゼロから分かる!図解落語入門」世界文化社・刊)◀高座を設営。ここに座布団、 小道具は扇子と手ぬぐいだけ。 落語の道具立ては 究極にシンプル演者の名前が▶書かれた「めくり」を、 本番でもめくらせて いただきました! ◀受付では限定クーポンも配り、 多くの方がよしのやの売店で 買い物を楽しまれましたお届け芸術館 番外編 05ビギナーさん向け!県立大生3人が設営と受付をお手伝い【古典落語】江戸・明治期に作られ、現代まで受け継がれてきた落語。江戸の庶民の暮らしを描いた噺が多い。【新作落語】落語家自身や演芸作家が創作した噺。現代に限らず、未来や異次元を舞台にしたものもある。【江戸落語】江戸弁で噺を聞かせて笑いを誘う。室内芸能がルーツ。前座、二つ目、真打などの階級制度がある。【上方落語】ルーツは大道芸で江戸落語より歴史が古く、派手で陽気。見台を小拍子で叩いて場面転換などを表現。【マクラ】落語の導入部分。本編にちなんだ小噺を語る。その日の客の様子を見極めるなど、大事なステップ。【滑稽噺】最後に“落ち”がある落語。笑いで終わるだけでなく、感心したり拍子抜けしたりと結末はいろいろ。【人情噺】心温まる内容の物語を語ったり、人間のありさまを描いたりして、しみじみと聞かせる落語。【ネタ帳】落語で言うネタ帳は、寄席の楽屋に置かれ、その日演じられた演目が書かれている。似た内容が重ならないよう、落語家はネタ帳を見てから自分の演目を決める。 春風亭一花p.6で詳しく!落語イロハのイ春風亭一花 落語会
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