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エンタメレポートエンタメレポート2Entertainment Reports         019年10月、長野市にも大きな打撃を与えた「令和元年東日本台風」からちょうど5年が経ちました。日本を代表するアーティストの歌声で、復興を応援し、地域住民の心の絆を取り戻す音楽フェスティバルとして2021年に開催されて以来の〝復興NAGANO!音楽祭2024~絆~〟公演です。残念ながら2023年に開催予定であった公演は中止となったために、実に3年ぶり。会場は満席のお客様。市長による開会の挨拶に続き、長野市芸術館ジュニア合唱団の澄んだ歌声「群青」でコンサートがスタートしました。この公演の監修を務め、コンサートの進行を行う音楽評論家、富澤一誠さんより、「令和元年東日本台風」で被害を受けた故郷への思い、このコンサートに寄せる気持ちをお聞きした後は、いよいよ1人目の出演アーティスト、夏川りみさん登場です。三線を爪弾きながら「島唄」で始まり、会場を巻き込んで賑やかに沖縄のカチャーシーを披露するなど客席が早速ひとつになるのを感じます。その美しい歌声にとにかく引き込まれ、富澤さんも「音楽の力を感じた」と酔いしれた様子。続いては岩崎宏美さん。真っ白なドレス姿が艶やか。富澤さんと、岩崎さんの代表曲でもある「聖母たちのララバイ」についての背景、歌に込める想いを語っていただきました。今年デビュー50周年を迎える岩崎さんの強く美しい歌声、圧倒的な歌唱力!メインホールが岩崎さんの世界に飲み込まれます。そしていよいよ、南こうせつさんの登場です。「うちのお父さん」が始まると、待ってましたとばかりに会場が手拍子に掛け声、コールアンドレスポンスで1曲目にして最高潮の会場。皆さん一言も聞き逃すまいと南さんの楽しいトークに耳をすませます。「神田川」につづく「夢一夜」では夏川さん、「時は流れて風が吹く」では岩崎さんが飛び入り参加で南さんとデュエットするというサプライズ演出。最初から最後まで会場が興奮に包まれ、あっという間の本編終了となりました。しかし、これで終わらないのが復興NAGANO!音楽祭。アンコールは出演者3人のジョイントステージとなります。中止となった2023年の公演に出演の予定だった谷村新司さん(岩崎さんと夏川さんも出演予定でした)の「いい日旅立ち」を3人で。富澤さんを交えて谷村さんを愛称の〝チンペイ〟と呼びながら思い出を語り、歌で偲びます。気がつくと上を見上げながら歌う姿が胸に迫る一幕。最後は会場と一緒に歌える歌「上を向いて歩こう」、そして長野市芸術館ジュニア合唱団とその音楽監督を務めるカウンターテナー彌勒忠史さんも再登場して、南こうせつさん指揮による「ふるさと」で終了となりました。復興への願い、音楽の力、旅立ったひとへの思い。会場にいる皆さんひとりひとりが、それぞれの絆に思いを馳せた時間となったのではないでしょうか。岩崎宏美さん南こうせつさん夏川りみさん出演:南こうせつ、岩崎宏美、夏川りみ、長野市芸術館ジュニア合唱団企画監修:富澤一誠長野市 復興応援事業復興NAGANO! 音楽祭 2024 ~絆~2024年11月16日(土) at 長野市芸術館メインホール11

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